パズル&ドラゴンズ

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アルファ

アルファ
滾龍喚士・アルファ
(こんりゅうかんし・あるふぁ)
猛護の滾龍喚士・アルファ
(もうごのこんりゅうかんし・あるふぁ)

・スキル:エキサイトストンプ
・リーダースキル:昂翼の召龍印(こうよくのしょうりゅういん)
・イラスト担当:中村エイト

滾龍喚士

龍を喚べる龍。龍と人、どちらの姿にも変化することが可能で、人型になると龍喚士としてオメガを召喚、使役できる。
短気で口が悪くオドオドしているオメガを叱ってばかりいるが、いざという時の力は彼女に適わない。ぶっきらぼうだが常識的で気遣いもできるしっかり者の少年。
自由人で自分達を振り回すスオウをいつも叱り飛ばしているが、自分達を救ってくれたことに感謝しており、また保護者として認めていないわけではない。

滾龍喚士の物語

0.出会いⅠ

「龍を喚べる龍」として人工的に生み出されたアルファは、自由もなく道具として扱われることを嫌い、自身の対として生まれたオメガと共に生まれた施設から脱走する。
しかし追手から逃げる最中、オメガは力を使いすぎて倒れてしまった。
なんとかオメガだけでも助けたいと苦心していたアルファは、追手から逃れる途中、偶然酒を飲んでいたスオウに突撃し意識を失ってしまった。
次に目が覚めた時、気を失ったオメガの側にいたスオウを前にして、気が動転していたアルファは声を荒げた。
「オメガを離せニンゲン! そいつに危害を加えてみろ……絶対許さねぇ。灰も残らず焼き尽くしてやる!」
溢れんばかりの殺気を向けられたスオウは恰好いい少年だなとケラケラ笑い「だけどな?」と満面の笑みで首を傾ける。
「それオレのセリフだからな? いきなり飛んできて人様の大事な酒台無しにしたのお前等だからな? ついでに追われてる身っぽいお前等を匿ってやったのもオレだからな? 殺気向けられる言われはねぇから。むしろ頭地べたにこすりつけて感謝しろ?」
笑顔から漏れ出る確かな怒気に思わず後ずさる。
困惑するアルファに、スオウはひらひらと手を振って見せた。
「通りすがりの優しいお兄さんだよ。訳アリなのは察しがついてるから、とりあえず話してみ? お兄さんこう見えて結構場数踏んでるから、内容次第では力になってやれるかもよ。……なぁ、龍の少年?」
その言葉にアルファが目を見開く。姿は完全に人間だというのに、スオウは確信をもって「龍」だと言った。
「どうしてバレた、という顔をしてるな。言ったろう、オレは場数を踏んでるって。普通人間はテメェのことをニンゲンなんて呼ばねェよ。後はそうだな……オレはそれなりに"目"が良いんでな」
わずかに開かれた瞳で驚愕の表情を浮かべるアルファを見据え、彼はカラリと笑って言った。
「じゃあまず、少年の名前から訊こうか」

【関連モンスター】

0.出会いⅡ

スオウに促され、アルファは自身とオメガが施設から逃亡してきた身であることを話す。
「随分と無謀なことをしたもんだな。先を見据えない突発的な行動ってのは大抵上手くいかねぇもんだぜ」
「うるせぇな、わかってんだよ。……でもオメガが言ったんだ。外の世界を見てみたいって。できればそれを叶えてやりてぇけど……オレじゃ力不足だ」
アルファは意を決して、知り合ったばかりのスオウに頭を下げる。「頼む。オメガに世界を見せてやりたいんだ」
彼女だけでも逃がす手伝いをしてくれないか。
そう頼み込むアルファに、スオウはしばらく考え込む……こともなく。
「やだね」
一言で拒否を示した。
「助けてくれって頼んでる子どもを見捨てるのかよ!?」
「うん、オレ、そういうガキだからなんでも言う事聞いてもらえるだろう的な精神って嫌いなんだよね!」
ケラケラと笑って膝の上からオメガを退かすと、目の前のアルファへと投げ寄越す。
「そんなに大事なら、お前がちゃんと自分で守ってやんな。それが男ってもんだろ。あいにくオレは、見ず知らずの訳ありのガキを助けられるような責任感も正義感も無いんだわ。悪いな!」
「……少しでもアンタを信用しようとしたオレが馬鹿だった。もう二度と、ニンゲンになんて頼まねぇよ!」
小馬鹿にしたような軽い態度をとるばかりのスオウに怒り、アルファはオメガを背負ってスオウに背を向けて走り去る。
しかし十分に力が使えない状態で逃げ切ることはできず、アルファとオメガは追手に捕まり、施設へと連れ戻されてしまった。

【関連モンスター】

0.出会いⅢ

施設に連れ戻されたアルファとオメガは、二度と逃げ出さないよう感情を破壊する術をかけられそうになる。自身を生み出した者達に拘束され抵抗もできず、オメガを助けられない。
焦燥感の中で己の無力さを噛みしめ、アルファは叫んだ。
「誰か! 誰でもいい、オメガを、オレ達を、助けてくれ!!」
「やだね」
アルファの耳に、聞き覚えのある言葉が響く。
ゆっくりと顔を上げアルファの瞳に飛び込んできたのは、刀を掲げた幼子だった。
「誰だ!?」
「ひっでぇなあ、ついさっき会ったばっかだろ」
赤い笠、上等な着物、細い目、そして何よりあの腹の立つ軽口。
その特徴全てに合致する人物の姿を思い出し、アルファは怪訝な顔をする。
「……なんで縮んでるんだアンタ」
「世間様ってのは悪者だろうがなんだろうが意外と何処も常識的でな。いたいけな可愛いお子様の姿だとそれなりの待遇で出迎えてくれるわけだ。油断した輩の扱いなんぞ仔猫より容易いもんだぜ」
つまり子どもの姿で油断させたところでボコボコにしてここへ辿り着いたらしい。
「お……お前、子どもが自分の立場利用するの嫌いって言ってたじゃねぇか!?」
「されるのは大嫌いだがオレがするのは大好きだ!」
(このクソ野郎……!)腹を立てるアルファを気にせず、スオウは身の丈以上もの大刀でアルファとオメガの拘束具を斬り裂いた。自由を得たアルファはすぐにオメガを抱きかかえて怪我がないことを確認すると、理解に苦しむと言った顔で彼を見つめる。
「どうして……何でオレ達を助けにきてくれたんだ」
「そりゃ勘違いだぜ。これはオレが自分の昔と重ねて一人ではらわた煮えくりかえした結果ってだけだ。そんなもんを“誰かを助ける”なんて大義にすり替えるつもりはねぇよ。オレは、ただオレがやりてぇことをやってるだけだ」
スオウはそのまま施設を破壊し、その結果アルファとオメガは解放された。

その後。ようやく目を覚ましたオメガは、自分達を助けてくれたスオウに心酔し、『共に行きたい』と願う。そしてそんな彼女を放っておけないアルファも、心底悔しそうに歯をぎりぎりさせながら彼と行動を共にすることを決める。
「オメガがついて行くってんなら仕方がねぇ。あいつを放ってはおけねぇからな。ついでにアンタのその腹立つ性格もオレが矯正してやる!」

【関連モンスター】

滾龍喚士の周囲

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