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リクウ

リクウ
穏龍契士・リクウ
(おんりゅうけいし・りくう)
静観の穏龍契士・リクウ
(せいかんのおんりゅうけいし・りくう)

・スキル:オールドロップブレイク
・リーダースキル:継界龍降・リョウエン(けいかいりゅうこう・りょうえん)
・イラスト担当:池屋

穏龍契士

紅葉山の奥深くで暮らしており、山から出る事も人と関わる事も少ない。
龍への探究心が非常に強く膨大な知識と魔力を有しているが、その反面体力はからきしの典型的な頭脳派。
契約龍は強大な生命力を有する龍「リョウエン」で仲は良好。
リョウエンの生命力がリクウにも影響しており、若々しく見えるが非常に長い時を生きている。リョウエンから溢れ出る生命力に身体が耐えられるようにと親友から貰った耳飾りを付けており、宝物にしている。

「龍の全てを知りたい」という願いから龍契士となった。
ディステルやプラリネなどの仲間達と継界中を旅し、親友の願いを叶える為にディステルと「完全なる魔導書」の理論と創書法を構築する。
過去の経緯から龍王や龍喚士に対して複雑な感情を抱いており、かつての仲間であるプラリネ以外は不干渉でいようと決めていたが、リューネやニース達の話を聞いてイルムの背後に潜む存在を探る。

穏龍契士の物語

0.希望

幼い頃、生命を司る龍「リョウエン」との運命の出会いを果たしたリクウは”龍”という存在に心惹かれ、膨大な探究心と知的好奇心の全てを龍に向けていた。
いつかあの時出会った龍に再会したい。そんな思いを抱いていたリクウの元に、龍の知識を求めて一人の青年がやってくる。
青年はリクウから龍の知識を得るかわりに、リクウと龍の再会の手助けをした。
その結果、再び「リョウエン」と出会う事ができたリクウは、「龍の全てを知りたい」という願いを認められ契約を果たす。
その後リクウは青年が目指す「人と龍の共存」に共感し、その理想を叶えるべく彼と共に継界中を旅する事となる。旅の中で青年との関係は「親友」と呼べるものになっていった。

1.後悔

青年とリクウは、旅の途中で仲間となったディステルやプラリネ達と共に、様々な場所を訪れる。
海龍王に選ばれた青龍契士や友の為に龍と戦う橙龍契士達との出会い、龍王達との邂逅と試練によって継界の成り立ちを理解したリクウは知り得た知識を集約させ、仲間だったディステルと共に「完全なる魔導書」の創書理論を構築した。
しかしそれが世界を創り変える程の力を持つ危険な魔導書であると気付いたリクウは創書を中断しディステルを説得するが、彼はその言葉を聞かず青年と共に「完全なる魔導書」の創書を実行しようとする。
けれどそれは世界のバランスを守る龍王や龍喚士達によって"継界を害する行い"とされ、青年達は継界から排除され異空間に封じられてしまった。
理想を叶えようとした青年やディステルの側にも付けず、かといって二人を止めようとしたプラリネや、継界の為に動いた龍王や龍喚士の側にも付けないまま。
ただ事の顛末を見ているだけしかできなかったリクウは自責と後悔の念に捕われ、契約龍「リョウエン」との出会いの地である紅葉山に籠るようになった。

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2.来訪者

その数百年後、かつての仲間だったプラリネが紅葉山にやってきた。
彼女から青年と同じく異空間に封じられたディステルが姿を消したと聞いたリクウは、プラリネと共にディステルを捜索していた。
そんな折、彼の前に懐かしい雰囲気を纏った女性がやってくる。
それは溟鮫龍・トアの導きでやってきた青龍契士・リューネだった。
彼女を迎え入れたリクウは、母から受け継いだ力に対して悩みを吐露するリューネに、穏やかな表情を見せる。
「貴方は母上によく似ていらっしゃる」
かつて旅の途中で出会った龍契士の面影を見出したリクウは、リューネに昔話を語りながら還爪の力の本質について教え、龍王の試練を乗越えたリューネが天城へ向かうのを見送った。

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3.盛大な拒絶

「おかえりなさいリューネ。ティフォン君の弟さんは無事に助けられましたか?」
再び紅葉山を訪れたリューネを笑顔で出迎えたリクウは、彼女から天城で起きた事の詳細を聞き、イルムの目的と背後に潜む者を調べる為に協力してほしいと請われる。
暫く思案した後、その返答を返そうとしたリクウの言葉を遮ったのは、来訪者を告げる扉の鐘だった。
今日は客が多いなと扉を開き、来訪者の顔を見る。そこにいたのは、リューネと同じく彼を頼って来た直属部隊の隊長ニースだった。
リクウは彼女を目にした途端、青筋を浮かべて勢いよく扉を閉める。
「うちは押し売りと龍喚士お断りです。お引き取りください」

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4.生まれた疑問

リューネの説得でなんとかニースを家の中へと入れたリクウは、心底嫌そうな顔を見せていた。
継界を守る為とはいえ、龍を愛し共存への道を模索していた自身の親友を害だと断じた龍王や龍喚士に対して複雑な心境を抱いていたリクウは、できるだけ彼等に関わりたくないと思っていた。
しかしニースやリューネの話から、龍契士達による龍覚印の強奪とイルムが「完全なる魔導書」を創造しようとしている事を知ったリクウは、二人に「完全なる魔導書が世界を創り変えるほどの力を持つ禁忌の書である事を教え、イルム背後に潜む者の目的が『継界を創り変え、"龍"の存在そのものを消し去る事』ではないかと告げる。

リクウの推測と得られた情報を報告する為にニースが紅葉山を後にした頃、リクウはリューネの問いかけに答える形で、自分が「完全なる魔導書」の創書理論を構築した経緯を語る。
リクウの話を最後まで聞いたリューネは、彼に一つの疑問をぶつけた。
「"完全なる魔導書"の創書法は貴方と仲間が生み出したもの。……ならイルムは何故、それを知っているの?」
その言葉で、リクウは共に魔導書の理論を構築したかつての仲間の事を思い浮かべた。

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5.襲来

リューネとの話の最中によく知る魔力の気配を感じ取ったリクウは勢いよく外へと飛び出す。そこで彼が相対したのは、姿を消していたはずのディステルだった。
「長い間行方をくらませていたくせに……。なぜ今、姿を見せたのですか」
リューネとの話で浮上した、「完全なる魔導書」の創書理論をイルムに教えた者がディステルではないかと推測を立てていたリクウ。
しかしディステルは答えを返す事無く、契約龍レイゲンを使いリューネが持つ還爪の力を奪い取った。用済みとなったリューネをリクウと共に消そうとするディステル。
しかしその攻撃が届く寸前、再び紅葉山に戻ってきたニースの風が二人を守護した。
リクウ達への加勢が加わった事で、ディステルはその場を離れようとする。
姿を晦ます直前、リクウはディステルが全ての元凶なのかと問いただした。
「私の行動理由は、あの頃から何一つ変わっていない」
彼の言葉を聞き、頭に一つの推測が生まれる。
しかしそれはリクウにとって信じたくないものだった。

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穏龍契士の周囲

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